Staff Voice
スタッフボイス|イデアプラス
テレビ番組のロケ・収録に参加した通訳者の「現場の声」を掲載しています。
2026/03/29
話し手の意図が誤解なく伝わるように。 スペインから支える、映像翻訳の仕事

スペイン語を担当しています。イデアプラスとのお付き合いは2006年頃からで、これまでスポーツやドキュメンタリーを中心に、さまざまな映像翻訳に携わってきました。現在はスペインに居住しており、在宅で映像翻訳の仕事を続けています。
映像翻訳でまず大切にしているのは、素材を最初から最後まで通して見て、全体の流れをつかむことです。言葉だけを切り取るのではなく、前後の文脈や話し手の意図を踏まえて訳すことで、受け取る側に誤解なく伝わる翻訳になると考えています。どの仕事でも意識しているのは、話者の思いや考えがなるべくそのまま伝わることです。
印象に残っている案件のひとつが、プロサッカー選手ミケル・メリーノ選手のロングインタビューです。とても早口で、しかも論理的に話される方だったので、内容を正確に追いながら日本語として整理するのに苦労した記憶があります。ただ、その分、言葉の端々から人柄の良さや誠実さが伝わってきて、翻訳しながら強く印象に残った仕事でした。
また、一度だけオンライン・インタビューの場で、事前にいただいていた質問に加えて、自分の判断で最後にひとつ質問を加えたことがあります。相手の受け答えやその場の空気を見ながら決めた小さな判断でしたが、結果として依頼主の方に喜んでいただけたことがありました。翻訳や通訳の仕事は、言葉を置き換えるだけでなく、その場で何をどう受け取るかも大切なのだと感じた出来事でした。
イデアプラスの仕事でありがたいと感じているのは、長い時間をかけて、一人ひとりの翻訳者に寄り添ってくださることです。国外在住の現在だけでなく、出産や子育てで仕事のペースが大きく変わった時期にも、無理のない形で関わりを続けられるよう気にかけていただきました。仕事面での丁寧なフィードバックも含めて、安心して長くお付き合いできる環境だと感じています。
語学の仕事の魅力は、文化の橋渡しの一端を担えることだと思います。言葉の向こうにある背景や気持ちを汲み取りながら、それを別の言語で届けていく。そうした積み重ねに、この仕事ならではの面白さとやりがいを感じています。