Staff Voice
スタッフボイス|イデアプラス
テレビ番組のロケ・収録に参加した通訳者の「現場の声」を掲載しています。
2026/03/30
現場の熱気と、情報の正確さのあいだで

中国語の番組通訳では、数多くの中国人観光客への街頭取材を担当してきました。
上野のお菓子店での取材では、大量のお土産を買い込む方も多く、数万円単位でお買い物をされる様子に驚いたことを覚えています。現場には独特の熱気があり、その驚きやにぎわいが、オンエアでもきちんと伝わっていたのが印象的でした。通訳としても、言葉を置き換えるだけでなく、その場の空気感まで自然に伝わるよう意識していました。
一方で、強く印象に残っているのが、横浜中華街のお店のご主人への取材です。
その方は広東語圏のご出身でしたが、私に合わせて北京語で話してくださいました。ただ、会話の中ではどうしても広東語特有の発音や単語が混ざることがあり、聞き直しをしながら慎重に確認を進めました。特に数字や固有の情報は、思い込みで処理せず、必要に応じて紙に書いていただくなどして、事実関係を正確に押さえることを大切にしました。
街頭取材の現場には、にぎやかさや楽しさがあります。
その一方で、通訳には情報を正しく伝える責任もあります。現場の勢いや面白さを損なわずに届けることと、細かな事実確認を怠らないこと。その両方を両立させるのが、番組通訳において大切な役割だと感じています。