Staff Voice
スタッフボイス|イデアプラス
テレビ番組のロケ・収録に参加した通訳者の「現場の声」を掲載しています。
2026/03/30
ポルトガル語を通して、現場の“熱”を伝える

これまで数多くの番組でポルトガル語通訳を担当してきましたが、その中でも特に印象に残っている二つの現場があります。
パリ・サンジェルマン(PSG)来日時のスポーツバラエティ番組で、ゴール対決企画の通訳を担当しました。数名の選手が参加する中で、私が担当したのはネイマール選手。サッカーが好きな自分にとっては、憧れの選手を目の前にして高揚しないわけがなく、正直、気持ちを落ち着かせるのが大変でした(笑)。それでも現場では、限られた時間の中でテンポよくやり取りが進んでいくので、通訳としては舞い上がらず、スタッフの意図と選手の反応の両方をしっかりつなぐことに集中しました。華やかな現場ほど、こちらが冷静でいることの大切さを実感した仕事でした。
一方で、日系ブラジル人コミュニティの取材では、また違った意味で印象に残る経験がありました。現場には、まるでブラジルにいるような明るさや活気があり、言葉のやり取りだけでなく、人と人との距離感や空気そのものに、その土地らしさが表れていました。そうした場では、ただ質問と答えを訳すだけではなく、相手が話しやすい流れをつくりながら、その人自身の言葉として自然に声が出てくるよう意識しています。実際に、取材対象の方々の率直な思いや生活感のある言葉を引き出せたときは、通訳として手応えを感じます。
スポーツの華やかな現場でも、地域に根差したコミュニティの取材でも、求められるのは単なる言葉の置き換えではなく、その場にある熱量をきちんと受け止めて伝えることだと思っています。ポルトガル語を通して、さまざまな現場の“熱”に触れられることが、この仕事の大きな魅力です。