STAFF VOICE / PROFESSIONAL STORIES

スタッフボイス

現場の「声」に、
仕事の温度がある。

翻訳・通訳の仕事を支える、一人ひとりの視点から。

IDEAPLUSPEOPLE × WORDS × FIELD
番組通訳

能登の空の下で、通訳者として学んだこと

能登の空の下で、世界的アーティストのチームとテレビ番組制作側をつなぐ。生放送の現場で感じた、通訳者としての役割と忘れられない瞬間。

現地入りから始まった試練

石川県珠洲市で行われた『24時間テレビ』の巨大地上絵プロジェクトにて、フランス出身の世界的アーティストであるSAYPEさんチームの英語通訳とアテンドを担当いたしました。仕事では英語を使用しましたが、仕事の合間には時折、日常会話程度のフランス語も交えて交流しました。

担当通訳者とSAYPEさん
担当通訳者とSAYPEさん

現地へ向かう段階から試練は始まっていました。石川県に線状降水帯が発生し、行きの飛行機は天候調査の結果次第で飛ぶかどうかが決まるという厳しい状況。果たして現地へ到着できるのかとハラハラさせられる波乱の幕開けでした。

海外チームと制作側をつなぐ

無事に飛行機が飛んで能登空港から現地に入ってからは、海外チームと行動をともにする時間が長くなります。そうすると、どうしても海外チーム側に気持ちが寄り添いがちに。私の役割は、番組制作の意図を理解しながら、双方の意思疎通を支えることです。そのため、海外チームの声に耳を傾けつつも、制作チームの意図を念頭に置いて調整する必要性を感じました。

双方の意図やその場の空気感を最も把握できるのは間に入る通訳者です。だからこそ、要望をそのまま伝えるのではなく、「今これを言うタイミングではない」と感じた時は理由をお伝えした上で時期をずらしたり、お伝えするのを控えた方がよいかもしれないと提案したりすることもありました。その場の空気を読み、相手の気持ちや制作現場の状況を踏まえて判断することは、通訳者の大切な役割だと感じました。

SAYPEさんのチームとともに
SAYPEさんのチームとともに

生放送で求められる判断と準備

また、1分1秒を争う生放送の現場では、一から十まで説明してもらえる余裕はありません。立ち位置などの疑問点は自ら早めに確認するなど、常に主体的に動くことが求められました。オンエア中の通訳では「なるべく簡潔に、分かりやすく」を心がけました。でも、後から録画を見返すと「まだまだ瞬発力が足りなかった」と実感しました。

服装に関しても、事前のリスク想定が功を奏しました。本番の衣装指定は「ジャケット着用のフォーマル」でしたが、現場がキャンプ場であること、演者の方々はTシャツ姿であること、そして悪天候のリスクがあることを考慮。カジュアル寄りのジャケットにTシャツ、防水加工のきれいめパンツとローヒールパンプスに加え、替えのスニーカーやサンダルまで準備していったのが大正解でした。

なお、テレビ関係の仕事につきものの長い待機時間についても、長年テレビ局に入って映像翻訳に携わってきた経験があったため、苦にすることなく集中力を切らさずに過ごせました。

雨上がりのお披露目

そうして迎えた最終日。急ピッチで作業が進み、ついに地上絵が完成。いよいよお披露目まであと15分というタイミングで急に空が暗くなり、雨が降り出しました。初日の悪天候が頭をよぎり気が気ではありませんでしたが、本番直前になって奇跡的に雨が上がり、無事にお披露目を果たすことができました。あの瞬間、スタッフやアーティスト、集まったファンの皆さんと分かち合った喜びは忘れられません。

能登の会場に描かれた巨大地上絵
能登の会場に描かれた巨大地上絵

各分野のプロフェッショナルが集まる現場で大変貴重な経験をさせていただき、思い出深いお仕事となりました。ご一緒した皆さん、本当にありがとうございました。

← スタッフボイス一覧へ戻る

番組の翻訳・通訳をご相談ください。

映像翻訳・番組通訳など、お見積もりは無料です。

受付時間:10:00〜19:00 / お急ぎの方:22時ごろまで03-6452-9381✉ メールで相談する